各国政策金利
昨日のヨーロッパ各国政策金利に引き続きアジアの金利も見てみます。高金利通貨が目白押しですが、そこらのFX業者では取引できない通貨ばかりです。
米ドル/イスラエルシュケル 、米ドル/サウジリヤルなどは、外資系で取り扱っている業者もありますが、スワップが低いか、売り買いともマイナスです。こうみてみると、通貨の種類は多いですが、実際に取引できるものは限られます。
また、マイナス金利の国も日本だけで、金利差が大きくなる組み合わせも限られます。加えて、取引できる通貨の間の相関性も薄そうです。強いて言えば、香港ドルは米ドルにペッグされているので、スワップが得られれば、投資対象として選択肢に入ってきます。しかしながら、スワップの上下が激しく安定して収益を上げられません。【香港ドルのスワップ成績】そうすると欧州のマイナス金利通貨との組み合わせなどを模索するしかないと思います。
国名 | 政策金利 | 前回発表 | 前回発表前金利 |
イエメン | 27.00 | 10月 | 27.00 |
イラン | 18.00 | 10月 | 18.00 |
ウズベキスタン | 16.00 | 11月 | 16.00 |
パキスタン | 13.25 | 11月 | 13.25 |
タジキスタン | 13.25 | 10月 | 13.25 |
モンゴル | 11.00 | 10月 | 11.00 |
レバノン | 10.00 | 10月 | 10.00 |
ミャンマー | 10.00 | 9月 | 10.00 |
カザフスタン | 9.25 | 12月 | 9.25 |
ジョージア | 9.00 | 12月 | 8.50 |
アゼルバイジャン | 7.50 | 12月 | 7.75 |
ブータン | 7.04 | 11月 | 7.04 |
モルジブ | 7.00 | 10月 | 7.00 |
スリランカ | 7.00 | 11月 | 7.00 |
バングラディシュ | 6.00 | 10月 | 6.00 |
ネパール | 6.00 | 10月 | 6.00 |
べトナム | 6.00 | 10月 | 6.00 |
アルメニア | 5.50 | 12月 | 5.50 |
ブルネイ | 5.50 | 10月 | 5.50 |
インド | 5.15 | 12月 | 5.15 |
インドネシア | 5.00 | 12月 | 5.00 |
キルギス | 4.25 | 12月 | 4.25 |
カタール | 4.25 | 11月 | 4.25 |
中国 | 4.15 | 12月 | 4.15 |
イラク | 4.00 | 10月 | 4.00 |
ヨルダン | 4.00 | 10月 | 4.25 |
ラオス | 4.00 | 10月 | 4.00 |
フィリピン | 4.00 | 12月 | 4.00 |
マレーシア | 3.00 | 11月 | 3.00 |
クウェート | 2.75 | 12月 | 2.75 |
オマーン | 2.30 | 10月 | 2.52 |
バーレーン | 2.25 | 11月 | 2.25 |
サウジアラビア | 2.25 | 11月 | 2.25 |
香港 | 2.00 | 11月 | 2.00 |
マカオ | 2.00 | 11月 | 2.00 |
アラブ首長国連邦 | 2.00 | 11月 | 2.00 |
シンガポール | 1.63 | 11月 | 1.64 |
カンボジア | 1.46 | 10月 | 1.46 |
台湾 | 1.38 | 12月 | 1.38 |
韓国 | 1.25 | 11月 | 1.25 |
タイ | 1.25 | 12月 | 1.25 |
イスラエル | 0.25 | 11月 | 0.25 |
日本 | -0.10 | 12月 | -0.10 |
インドルピー
こうみていくと、政策金利が10%超えの国がこれだけあっても、実際に取引できるアジア通貨の中ではインドがもっとも高いということになります。インドルピーを扱っている業者は少ないですが、OANDA JapanやIG証券で取引できます。あいにくIG証券では米ドル/インドルピーもインドルピー/円も売り買いともにスワップがマイナスですが、OANDAでは米ドル/インドルピーの売りに1日130円以上のスワップが付与されているようです。(スワップ額は変動します)
そこで、インドルピーと組み合わせて変動が小さくなる通貨を探します。面白いことに人民元とインドルピーがけっこう似た動きをします。他にはオーストラリアドル、デンマーククローネ、米ドルがあげられます。
比較のために相関性の高く変動の少ないデンマーククローネ/チェココルナ(DKK/CZK)、平均的で感覚的に理解しやすい米ドル/円(USD/JPY)、変動の大きいトルコリラ/円(TRY/JPY)を足してあります。
3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | ||||
変動率 | 値幅率 | 変動率 | 値幅率 | 変動率 | 値幅率 | |
AUD/INR | +3.05% | 4.04% | +2.00% | 5.37% | -0.43% | 10.56% |
CNH/INR | +1.73% | 3.54% | +1.01% | 3.54% | +0.38% | 7.19% |
DKK/INR | +1.92% | 3.65% | +0.26% | 5.77% | -0.87% | 7.69% |
USD/INR | +0.40% | 2.59% | +2.85% | 5.98% | +1.54% | 5.98% |
DKK/CZK | -1.47% | 1.99% | -0.35% | 2.42% | -1.39% | 2.42% |
USD/JPY | +2.19% | 3.02% | +1.96% | 5.03% | -0.90% | 7.40% |
TRY/JPY | -2.06% | 5.05% | -0.33% | 13.47% | -11.76% | 20.14% |
新興国通貨で、金利が高いと変動が大きいことが多いですが、最高値と最安値の差である値幅率を1年の期間でみると、7%程度で米ドル/円並みの動きということがわかります。また、それぞれの期間の始まりとの差である変動率が小さいのは、上下に動いても戻ってきたことを示しています。もちろん将来どうなるかはわかりませんが、ここに挙げた通貨ペアでは、米ドル/円くらいの幅で動いて、長く保有していればいつか現在の値に戻ってくるのを期待できるのではないでしょうか。
このうち人民元/インドルピーは両通貨ともスワップが高いので、付与額の差が小さくなってしまいます。
マイナス金利のデンマーククローネとのペアが最も差が開きますが、デンマーククローネ/インドルピー(DKK/INR)を直接は取引できないと思うので、米ドル/デンマーククローネを買って、米ドル/インドルピー(USD/INR)を売る両建てにすることになると思います。両方プラススワップになるのでうまくいけば美味しいかもしれません。
一方で、米ドル/インドルピーの売りだけでも変動は小さめで、両建てしない分証拠金が少なくて済みます。ただ、常に米ドル高で動いていて、売りで入ると為替損でスワップの利益を損なうことにもなるかもしれません。
どちらがいいかわかりませんが、面白そうなので試しにポジションをとってみようかとも思います
中国人民元
インドの次に金利が高いのが、中国ということになります。今中国人民元を取引できる業者の中で最もスワップが高いのは、おそらくLIGHT FXです。キャンペーン中で1万通貨あたり20円のスワップがつきます。長く続けば投資対象として魅力がありますが、キャンペーン前の10円に戻るようだと魅力半減です。
人民元はバスケット制をとっているので超連動している通貨もあるのではないかと期待して調べてみたのですが、いい組み合わせはありませんでした。いくつかそこそこ変動率が小さい組み合わせがあったのであげてみます。米ドル/香港ドルもここにいれます。
3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | ||||
変動率 | 値幅率 | 変動率 | 値幅率 | 変動率 | 値幅率 | |
AUD/CNH | +0.84% | 2.67% | +0.73% | 3.77% | -0.49% | 4.48% |
EUR/CNH | -0.25% | 2.84% | -0.90% | 3.57% | -0.93% | 6.75% |
USD/HKD | -0.69% | 0.81% | -0.29% | 0.84% | -0.61% | 0.90% |
おそらく一番現実的な組み合わせがオーストラリアドル(AUD/CNH)と人民元ではないでしょうか。高値と安値の幅である値幅率が年間で4.48%です。米ドル/円(USD/JPY)の7.4%などと比較してかなりいい方だと思います。
次にユーロ/人民元(EUR/CNH)もなかなかだと思います。特に変動率が小さく、同じところを行ったり来たりしている感じです。LIGHT FXだとユーロ売りにもプラスのスワップがつくので、けっこういい収益率になりますが、キャンペーンが終わった後の人民元のスワップ額次第となると思います。
インドルピーはあまりやっている人がいないと思うので、実験台になってみようかと思います。うまくいったら報告します。うまくいかなかったらなかったことにします。
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